既に第4戦は始まっていた。

「セットカードオープン、《砂塵の大竜巻》を発動。右から二番目のカードを破壊する」
「……わかりました。私は《聖なるバリア−ミラーフォース−》を墓地に送ります」

西川瑞貴:4100LP
ディムズディル=グレイマン:5200LP

(《砂塵の大竜巻》を2ターン溜めて、このタイミングで使ってきた。私のブラフが通用しなくなっている。やはりこの男は私を観察していた。値踏みしていた。このままでは第2戦の二の舞。けど、私にはまだ貴方に見せていない技が―ここの人達にすら見せていない技が―ある。『ブラフ』は所詮虚構でしかないけれど、私が今から仕掛けるのは絶対の操作。決して破れは……しない)
 西川瑞貴は既に意を決していた。全力を持って目の前の『彼』に仕掛ける意を決していた。無論、第5戦になってから仕掛けるという選択肢も残っている。だが、瑞貴はここで決めなければ不味いと判断していた。彼女はディムズディルに対し得体の知れないオーラを感じていた。

 膠着状態に陥った感のある第8ターン目、遂に瑞貴が動く。何時もと変わりのない態度で、平然と!
「リバースカードオープン。《抹殺の使徒》を発動。その裏守備モンスターを除外します」
「またか。参ったな。僕が場に用意しておいたのは《カオスポッド》だ。君は第1戦目においても、今みたく《カオスポッド》に《抹殺の使徒》を撃っているから既にわかっているとは思うが……デッキにもう1枚《カオスポッド》を仕込んでおいた。ほら、頑張って探すといい。ああそうそう、君のデッキの方はもういいよ。それこそ第1戦の《抹殺の使徒》でよくわかっている。君の方だけ手を動かしてくれればそれで十分だ」
 ディムズディルが素直にデッキを瑞貴の方に向け、瑞貴がそれを緩やかに受け取る。彼女はその受け取ったデッキからこれまた緩やかなペースで《カオスポッド》を探し出しデッキから除外。ディムズディルにデッキを返す。だが、この時瑞貴の脳内には、ディムズディルのデッキに搭載された残存カードの並びが既にインプットされていた。
 ディムズディルは瑞貴から受け取ったデッキを適当に軽くシャッフルしたが瑞貴の眼はそれをよどみなく捉える。瑞貴は、その後ディムズディルから再度渡されたデッキを軽くシャッフルし再びディムズディルに返す。ディムズディルはそのデッキを受け取ると軽やかな調子で決闘盤に再セットした。そこに不審な動きは見受けられない。事実、そこにいたマックスの眼には至って順当なやり取りに見えた。こうして『一つ目の手順』を終えた瑞貴は、直ぐさま『もう一つの手順』に打って出る。
「更に私は手札から《封印の黄金櫃》を発動。デッキから《王宮のお触れ》を除外します」
「このタイミングで《封印の黄金櫃》か。安定した決闘を好むと思えば、今度は思い切った戦術にでるんだな。ああ、いいよ。色々見せてくれた方が僕も楽しい」
 随分と余裕を持った言い回しのディムズディルを余所に、瑞貴は水面下の作業を続ける。相手が余裕を持っていた方が瑞貴にはむしろ都合がいい。既に瑞貴を見切ったとギリギリまで思い込んでくれた方が『作業』が捗る。
 瑞貴はデッキから宣言通り《王宮のお触れ》を除外、その後デッキを“丹念に”シャッフル。そのままデッキを決闘盤に再度、自然な調子で差し込んだ。《封印の黄金櫃》の処理自体が先程の《抹殺の使途》よりも手早く、あっさりとしたものであったのは、瑞貴のシャッフルに異論を挟む思考を相手に喚起しない為。
 この間、ディムズディルは微動だにしなかった。【瞬間記憶操作】の完了である。

(何時も以上に上手く仕掛けきれた。これで向こうのデッキは2ターン後から罠ばかりになる筈。そして此方のデッキは彼の動きに噛み合うような構成に操作した。これで……私は勝てる。このマッチ戦を取れる。向こうは私が『心理誘導操作』だけで来ると思っている。ならばこのカラクリには気がつかない筈だし……もし万が一気がつくようなことがあったたとしてもその時にはもう後の祭り)
 その後瑞貴は《ホルスの黒炎竜LV4》を召喚。前ターンの直接攻撃により攻撃表示であった《伝説の柔術家》を鮮やかに撃破。エンドフェイズに《ホルスの黒炎竜LV4》を《ホルスの黒炎竜LV6》に進化させた上でターンエンドする。次はディムズディルのターン。彼が不審を抱いた様子は見当たらない。
「おっと。随分と僕は間が悪いな。ここでコレを引くとは……」
 ディムズディルが苦笑するが、彼女はそれをすまし顔で受け流す。
「騙されませんよ。そんなこと言っても私は油断しません」
 だが瑞貴は、そのカードが『本当に』間の悪いものだとわかっていた。彼女は既に勝利を確信している。ディムズディルは、今引いたそのモンスターカード1体を守備表示で召喚。そのままターンエンド。次は瑞貴のターン。
「私のターン、ドロー。私は《ホルスの黒炎竜LV6》で裏守備モンスターを攻撃します」
 瑞貴は『予見通り』《アステカの石像》を《ホルスの黒炎竜LV6》で撃破。更に《ドリルロイド》で直接攻撃を敢行、ライフをジリジリと削る。2人のライフがここにきて並んだ。だが、【瞬間記憶操作】を完成した瑞貴がここで止まる筈もない!未来のチェックメイトに向けて瑞貴が動く!

「更に! 私は《ホルスの黒炎竜LV6》を墓地に送り!」
「おっ! アレを出すのか!?」
 大物登場の予感にマックスが横から声を漏らす。“アレ”とは、瑞貴のデッキに投入された最強のモンスター。これまで幾度と無く瑞貴の高い実力と共に勝利をもぎとってきた、紅き闘気を纏いし鉄機龍。その雄々しい翼が、今、フィールド上に姿を現す!
「お出でなさい。 我が僕!」

Horus the Black Flame Dragon LV[

「ブラボーッ!」
 マックスが喝采を上げる。瑞貴は《ホルスの黒炎竜LV8》をデッキから特殊召喚することに成功。ディムズディルの『マジック』を封じ込める。
(全て上手くいっている。これで次のターン、《王宮のお触れ》がくれば態勢は万全。『操作』によって向こうに効果モンスターを引かせないまま封殺する。これで……勝ち)
 西川瑞貴の『異能』、その具体化たる【瞬間記憶操作】はその後のデュエルを単調極まりない詰め将棋に変えていた。

……いや、変えた筈だった(・・・・・・・)。



もう終わりか



(え……今なんて!?)
「その様子では、『過去』しか見えていないらしいな。だが、過去とは過ぎ去った過ちに過ぎない」
(これは……一体……)
 その時、先程まで沈黙を続けていたディムズディルが突如として語りだす。だが、その口調は……瑞貴に対し語りかけているようにも、独り言の様にも見えた。
「『ブレイン・コントローラー』……『ブレイン』……『脳』……『支配者』……この決闘中1度たりともも墓地等の確認を行わなかった……」
(この男、まさか私の『能力』を!?)
「謙虚なようで、大胆。そこからはある“奇妙な自信”伝わってくる。まるで自分の引き出しには無限の空間が広がっているのだと言わんばかりの後ろ向きな自信……そう、『無限』だ。これまでの四連戦……確信したよ。君は『無限』を刃に変えて決闘している。その能力は限りなく高い。だが……」
(この男……私の正体を……見抜いている?)
 ディムズディルは徐々に『1人旅』から帰還の様相を見せ、そのまま瑞貴に話しかける。その様子は先程までとは何かが違う。瑞貴は、その姿に更なる不審感を募らせていた。まるで、それまで蓋をされて秘められていた『闘気』のようなものがあふれ出てきたような感覚……瑞貴が身構える。いや、身構えずにはいられなかった。

「どうしました? 貴方のターン、早くドローを……」
「カードゲームは……『人』のゲームだ。デッキを作り、カードを引き、火花を散らす。どんなに計算してカードをセットしたとしても相手の当てずっぽうな《サイクロン》で敗北することがある。どんな素晴らしいデッキを組んでもアンラッキーな事故で敗退する可能性もある。将棋やチェスではまずありえないことだ。だが、それこそがカードゲームの人間的な魅力だ。偶然に左右された挙句思いの外あっさりと逝ってしまう」
「確かに、人間は驚くほどあっさりと死ぬことがあります。ですが、それが今の決闘に何の関係が?」
 瑞貴は、わからなかった。いや、半分わからないフリをしていた。この男はこの男特有のアプローチから瑞貴に迫ろうとしている。手を伸ばそうとしている。この時、瑞貴は背筋に冷たいものを感じる。
「“偶然”が渦を巻くカードゲーム。僕等決闘者はその偶然と向き合いながら生きる宿命を背負わされた純人間的な生命体ってことになるのかな。苛酷な一方……面白いじゃないか。だが、そこに『無限』という名の神の専売特許を用い、『神の領域』を創出しようとした不届き者が一人いる」
(まさか――)
 ディムズディルの気配が『威』を増している。その眼は、先ほどまでの観察の眼ではない。戦う眼だ。
「カードゲームにおける『神の領域』。それはデッキという可能性に秘められた偶然そのものを操作すること……と一つには言い得るかもしれない。もしもその領域すら完全に掌握できる人間がいたとしたら、流石の僕も不本意ながら白旗を振る覚悟を決めねばなるまい。それはまさしく『神』と呼びうる領域だろうな」
(この男は……何処から……何処まで私を見ていた?)
 『偶然』『操作』。瑞貴の胸にキーワードの矢が突き刺さる。ディムズディルは尚も言葉を紡いでいた。そこには先程までの陽気な好青年の姿はない。彼は1秒ごとにその威圧感を増していた。そしてその『威圧感』がある点にまで達した時……ディムズディルが豹変する。其処には確かに魔王が降臨していた。
「だが、似非神に平伏すつもりは更々ないぞ『ブレイン・コントローラー』! この僕は神にすら牙を向くブラックマンだ! この僕に神の真似事は通用しない。この僕を倒したければせめて本物の『神』か……或いは凝縮された1個の意思を送り込んで来い! 君のデッキが呻き声をあげてるぞ!」

(不味い。ディムズディル=グレイマンが、真の意味で『魔王(ブラックマン)』に変わった。ミズキ!)

「貴方……何わけのわからないこと言ってるの? 貴方の番よ。早くカードを引きなさい!」
 瑞貴は焦っていた。この男は何かを掴んでいる。瑞貴は焦っていた。もしディムズディルなる人間の本性が瑞貴の嫌な予感を具現化したものかあるいはそれ以上だったとしたら……ここで何かが起こるに違いない。だが瑞貴にはその何かが何なのかがわからない。
 瑞貴の眼はディムズディルという一人の男と、そのデッキに釘付けとなっていた。ディムズディルは尚も躍動する。彼は、左手に掴んでいた数枚のカードを軽く一瞥した後、瑞貴の前で吼えた。
「『ブレイン・コントローラー』! 例え君の家の奥行きが『無限』だったとしても! その入り口には『有限』の影がチラつくな! 今ここで! この僕がそれを証明してやる! 僕のターン、ドロー!」
 怒声を張り上げ宣戦布告を行ったディムズディル、彼は右手を天に向かって振り上げる。
(この勢い……これは!?)
 瑞貴の眼を一点に惹き付ける、天に向かって振り上げられたディムズディルの右腕、彼は勢いよく左手の決闘盤に向けてその右腕振り下ろし、そのまま右手でカードを引き抜いた。その右手を凝視する瑞貴。彼女の胸には不安だけが渦巻いていた。
 カードを引いたディムズディルは右手に納められたカードを一瞥、この瞬間、手札を預けていた左腕が器用に、それでいてダイナミックな振動。墓地の一番上にあった《アステカの石像》を、その勢いを持って弾き出す。だが、瑞貴がそれを伺う暇はなかった。
 彼はドローの際に発したあの勢いのまま、今この瞬間カードを引いた右手に抱え持つ、1枚のカードを決闘盤のモンスターゾーンにセットする。この時、墓地から離れたカードが天に昇り、それに入れ替わるかの如く、大地に1体の巨人が降臨。瑞貴の眼は、彼女にしかわからない“異常事態”に惹きつけられていた。
「なっ!?」
「墓地の《アステカの石像》を除外! 出でよ! 中盤のファンタジスタ!」
(墓地の地属性モンスターを除外!? そんな……そんな筈は……そんなことはありえない!)
 西川瑞貴の『異能』、【瞬間記憶操作】に従えば、ディムズディルがその手で引いたカードは、《王宮のお触れ》によって無効化される『罠』カード、《炸裂装甲》で間違いない筈だった。百歩譲ったとしても、そこには《王宮のお触れ》に潰されるカードしかなかった筈だ。だが、其処にあったのは【岩石族】随一の下級アタッカー……“中盤のファンタジスタ”《ギガンテス》だった。

第16話:灰色の魔王(グレイ・ブラックマン)【中編】


 恐るべき速度と力強さを持ったディムズディルの右手から、突如召喚された《ギガンテス》の到来……それは西川瑞貴に天地が入れ替わった程の衝撃を与えて いた。其処にある筈のないカード。《炸裂装甲》であった筈のカード。彼女は、その口から声が漏れることまではなんとか抑えきったものの、その表情は何処 か青ざめていた。世界が……変わる。彼女の望まない世界に。
(なんで……なんで……)
「どうした『ブレイン・コントローラー』! 君のデッキが泣いてるぞ! 突っ込め! 《ギガンテス》! 《ドリルロイド》を攻撃! カードを1枚伏せてターンエンド。さぁ、あと1〜2ターンで終わりにしようか!」

西川瑞貴:2900LP
ディムズディル=グレイマン:3000LP

(わからない。何が起こったのかわからない。でも、私は負けない! 【 瞬間記憶操作】を破られたまま、このまま引き下がるわけにはいかない。まだ勝機は……ある)
 ディムズディルによって投げかけられた死の宣告。しかし、彼女はこの『宣告』によって逆に覇気を取り戻した。今やるべきこと……それはあくまで勝利の可能性の追求。そこまで考えた彼女は新たな『一手』を打ち出す―
(確かに【瞬間記憶操作】は破られたのかもしれない。どうやって破られたのかは未だわからないけれど……破られたのは事実。この事実は受け入れる以外にな い。けど……敗北までは受け入れない! 私には最後の奥の手が残されている。極度の疲労と引き換えに発動可能できるアレが―。既に4戦にも及ぶ決闘と【瞬間 記憶操作】で相当消耗している。でもだからこそここで決める。私のセカンドスキルで決闘の流れを引き戻す!)
「私のターン、ドロー。スタンバイフェイズ! 《封印の黄金櫃》で除外した《王宮のお触れ》を手札に!」

(【完全記憶『弐式』】―【高速連鎖計画】)

【高速連鎖計画】
 完全記憶を用いた決闘法は前述の【瞬間記憶操作】に留まらない。完璧な『記憶』は思考時間を大幅に短縮する。それも正確な思考を可能にするのだ。実例を示そう。西川瑞貴は第一戦目《抹殺の使徒》と《押収》のダブル発動によってディムズディルのデッキ内容を一分漏らさず完全に記憶していた。更に迎えた第四戦目。《抹殺の使徒》により8ターン目におけるディムズディルのデッキに搭載された残存カード情報を完全に掌握。公開情報である墓地のカードと合わせ、彼の 『デッキ本体』から『引き算』することにより、彼女は対戦相手の手札をピーピングした上で『行動計画』を構築できたのだ。『デッキを知り、墓地を知れば百戦危うからず』とは中国の古代決闘者・孫文縁の言であるが、彼女はまさにその体現者と言い得るだろう。疲労困憊であった彼女は、それでも1ターンの間に許されたたった3分の間に、必要な作業をピンポイントで終えることが出来たのである。

(今私の手元に除去カードはない。こちら側に施した『操作』に依れば、《地砕き》がくるのは1〜2ターン後辺り。。つまりあの厄介な《ギガンテス》―《大 嵐》能力を持つ岩石族アタッカ―を今ここで葬るには場の《ホルスの黒炎竜LV8》を使う以外にないということ。もしここで《ホルスの黒炎竜LV8》が《ギ ガンテス》を葬ることに成功した場合、メインフェイズ2に《王宮のお触れ》を伏せることによって此方の勝利がほぼ決まる……けど向こうはカードを一枚伏せ ている)

「どうした? 長考か? もう制限時間が1分半しかないぞ。早くしないと“ブラックマン”のターンに……」

(普通はここで攻撃モンスター破壊系の罠カードが伏せられていると考えてしまいがち。でも彼の墓地には既に《聖なるバリア・ミラーフォース》《万能地雷グレイモヤ》《炸裂装甲》が1枚づつ送られている。そして私がついさっき使用した《抹殺の使徒》の効果によって確認した彼のデッキには、《炸裂装甲》が2枚 づつ仕込まれていた。更に今を去ること第1戦目、《抹殺の使徒》と《押収》のダブル発動によって把握した彼のデッキには、これと同数の攻撃モンスター破壊系罠カードが入っていた。これら諸要素の連鎖から『結論』が見えてくる。彼がこの2ターンの間《炸裂装甲》を引かなかった以上、彼の伏せカードは間違いな くブラフ。《ギガンテス》の《大嵐》効果をチラつかせる事でブラフとしての効力を強化した……でも私には通用しない! 『ブレイン・コントローラー』の支配はまだ生きている!)
「バトルフェイズ! 《ホルスの黒炎竜LV8》で《ギガンテス》を攻撃!」
 黒炎竜の、荒々しいブレスがギガンテスを焼き尽くす。その攻撃力差は歴然――
(決まった……え? 違う!? 攻撃が届いた瞬間爆発を起こす、このエフェクトは……)
 この時瑞貴は【高速連鎖計画】によって最良の結果を選び出しアタックを仕掛けた。少なくとも本人はそう考えていた。それほどまでに完璧と見える行動計 画。しかし一度絡まった糸は……もう元には戻らない。ディムズディルは叫ぶ。その魔性を現世に現し吠え立てる。彼の『威』は更なる高みに達していた。
「『覚えて』置くんだな! 『ブレインコントローラー』! 軽挙妄動を身を滅ぼす! 1度消え去った未来絵図は、決して元には戻りはしない! セットカードリバース! 《炸裂装甲》!」
 魔法封じの能力を持つ《ホルス》の天敵とも言えるリバース・トラップ、《炸裂装甲》が既に発動、《ホルス》の肉片を、骨を消し飛ばす。大地の塵となって消えるホルスを前にした瑞貴が、遂に絶望の声を漏らした。『支配』は……崩れ去ったのだ。
「嘘……そんなの……嘘……」
「そんなに4枚目の《炸裂装甲》が気になるか! 『ブレイン・コントローラー』!」
「え? 何……4枚?」
「自らの狭い脳にだけ存在するカードに振り回されるなど愚の骨頂! 君は過去と現在を一緒くたにしている! 君の絵図は既に消え失せた! そして! 君の勝利もまたここで消えうせる!」
 困惑する瑞貴は、それでも制限時間をオーバーしないよう急いでターンを進行。カードを2枚伏せ、計3枚の伏せカードをフィールドに置いてターンエンドす る。その刹那、ターンランプがディムズディルの決闘盤に点灯。ディムズディルのターン。『魔王』が遂にその兇刃を瑞貴に向かって振り下ろす。
「『ブレイン・コントローラー』! 今こそ! 【岩石族】の『威』を喰らうがいい!」
(この威圧感はまるで……『衝撃波』!? 押し潰……される!? そんな、そんなことって!?)

【岩石族】
『石の上にも三年』。近年この格言の意味は広く誤解されている。『我慢に我慢を重ねて努力すればきっと成功する』とは日本の権力者達が部下を使役する為の 方便であり、その本来的な意味は異なる。この格言の起源は古代中国戦国時代。時の有力者が岩石から削リ出された巨大戦車の上に乗って各地の戦場を駆け回 り、たった三年という短い期間で天下統一を成し遂げたことから来ている。つまり『石の上にも三年』とは、圧倒的戦力差によって大地を蹂躙する様を表してい たのである。『石』とは古来から『堅』の象徴であり『力』の象徴であり『威』の象徴であった。これは舞台を遊戯王に移したところで何ら変わりはない… 『石』の魔力なのである!




『大地』よ! 我が眼前に覇道の礎を積み上げよ!

《破砕主導型再生要綱》

 

《破砕主導型的再生要綱》
速攻魔法
自分がコントロールするモンスターを一体生け贄に捧げる。自分の墓地から岩石族モンスターカードを一枚手札に加える。

 

『疾風』よ! 我が道筋に立ち塞がる、

謀反人の刃を消し飛ばせ!Cyclone!

 ディムズディルがその指で指定したのは、2ターン前から伏せられていた右端の伏せカード。そのカードの正体、それは瑞貴の命綱とも言うべきカード……《収縮》だ!
(《収縮》が!? ブラフが……通用しない。それに……さっきあの男が墓地から戻したカード。あれは……そんな……まさか……)

『岩石』よ! 大地を踏み馴らし道と為せ!

出でよ我が覇業の尖兵! Megarock Dragon!

 

「《メガロック・ドラゴン》……攻撃力……5600!?」

さあ蒼天の落石カーニバルの始まりだ!

遊べ! 楽しめ! そして滅べ!

“Brain Controller”!

(そんな……そんな――)
ブラックマンの兇刃がブレイン・コントローラーの脳髄に突き刺さる――

【第四戦】
●西川瑞貴―ディムズディル=グレイマン○




【こんな決闘小説は紙面の無駄だ!】
完全記憶弐式(ただの消去法)。石を投げられ砕け散る。


↑気軽。ただこちらからすれば初対面扱いになりがちということにだけ注意。


↑過疎。特になんもないんでなんだかんだで遊べるといいな程度の代物です。



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